アジア人をまったく見ない。
その道中、韓国人のキムくんとであう。
トルコからソフィア、セルビアのベオグラード、そしてハンガリーのブダペストに行くらしい。
彼は5日大阪を一人で観光したこともあるらしい。
お互いつたない英語。
アジア人が全くいないという心細い状況だからこそ、そのつたない英語でなんとか会話を見つけお互いを伝えようとする。
そして分かろうとする。
途中停まる休憩時間はそういう時間。
英語がペラペラ風な外人だと、こうはいかない。
一方的に喋られ、こっちが素っ頓狂な答えを言うと、ノープロブレム!イッツOK!
で、会話は終わる。
勿体無いなぁと思うだろうか。
勿体無いんだろうなぁ。
英語が出来たらと思う日もある。
感謝を言うのにも、サンキューしか言えない。
あなたのあの時のそれに感謝してます。
と、伝えたい時もある。
けど、言葉が出てこない。
正直、ちくしょうと思う。
俺は、旅をしてて友達を作りたいから留学をしてから海外を旅するという考えはない。
迷ったことはあるけれど。
英語が話せた方が確実に友達は出来る。
そして、金髪美女も口説けるだろう。
じゃなくても、損をすることは一つもない。
実際、俺だって英語の本を2冊、スペイン語の本を一冊、そしてiPodにも入っている。
本当に暇な時しか開かないけど。
学びたい気持ちも勿論あるし、喋れるようになりたい気持ちも勿論ある。
けど、本気じゃないんだろう。
そしてもう一つ理由があるとすれば、言葉から始まる出逢いを求めてない。
昔、好きな番組があった。
俺の年代の人なら覚えているだろう。
「世界ウルルン滞在記」
芸能人が一週間、海外でホームステイするという番組。
何かの職人の家に行ったり、伝統文化のある村に行ったり、民族の集落で生活する。
今国会を賑わせてる山本太郎が全裸でポコちんに筒だけをつけてお茶の間に登場した記憶は未だに鮮明に残っている。
世界に憧れてた幼少期の宇高少年はこの番組が全てだった。
毎週かかさず見ていた。
芸能人になればこの番組に出れる!
そう思って芸能人になろうと思った時期もあった。
勿論通訳がいたんだろう。
それでも、最後別れる時、共に涙したものだ。
心を通い合わせなければ涙なんて出ない。
あれこそが出逢いなんじゃないだろうか。 と思う。
そして、それこそが俺の求める出逢いなんだと思う。
もう一度会いたい。
彼らは今も幸せに暮らしているんだろうか。
また会いに行こう。
この物が溢れすぎ、テクノロジーが進化し、インターネットでなんでも手に入る情報と物質の渦の世界、
SNSが普及して、誰がどこで何をやってるか簡単に分かる世界。
消して悪い事ではない。
けど、真実はどこにもない気がしてならない。
TVや雑誌の情報が、インターネットの情報が、誰かが言った情報が、そして誰かが体験した情報でさへ、そこに真実は一つもないと思う。
そして真実を見つける方法はこの世界では不可能に近いんだとも思う。
けど、揺るがない真実ってものも必ずあると思う。
人と人ってのは良い意味でも悪い意味でも、簡単なものではないはずだから。
そして、心と心っていうのは人種も性別も年代も言語も関係が無いものだと思うし、そう信じたい。
俺の旅で世界の人との出逢いがあるとするなら、そういう出逢いがしたいんだ。
言葉ではなく心の出会い。
御存知アナザースカイ。
最近見た中で、ヤバかったのがある。
織田信成の回と伊藤英明の回。
現役を引退した織田信成は、自分のスケート人生を支えてくれた人達に御礼を言いにカナダへ行く。
織田信成は全員に涙しながら言う。
「あなた無しでは僕のスケート人生はなかった。」と。
彼の壮絶なスケート人生を支えてくれたのは、愛の心。
「愛」って言葉を言うのも聞くのも単純に恥ずかしくなってしまったこの世の中。
本当は皆知ってるはずなのにね。
愛ほど美しいものなんてきっとないはずってことを。
それを感じさせてくれる回だった。
伊藤英明は一年前に訪れたアルゼンチンのガウチョの村にもう一度行く。
一年後に必ず戻ってくると誓ったから。
そして、伊藤英明の言った言葉が忘れられない。
「言葉なんてもちろん通じない。でも言葉が通じる事で甘えてると思うんですよ。言葉が通じないからこそ、必死で伝えようとする。そこにあるのは思いやりだけだ。」と。
俺もそう思うし、それこそが全てだと感じた。
心を通い合わせるのに必要なことは。
心の底から羨ましく思う。
この旅でそんな経験ができるかどうか分からない。
でも無ければ無くたっていいとも思う。
大事なものは見つけている。
だから日本に帰って、言葉が通じる環境でもきっと俺は自分を見失わない。
そして、この旅でその「きっと」を「絶対」に変えてこようと思う。
キムくんとの数十分でそういうことを思い返した。
今でも沢山の人に出会った。
素敵な人達が沢山いた。
有難うを伝えたい。
そして、この「出会い」を「出逢い」に変えていってくれませんか?
一緒に。
素晴らしい今にするために。
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